農水省のバイオマス利活用フロンティア推進事業・バイオマスプラスチック導入実証支援事業に採択された宮崎県水産バイオマス協議会の「宮崎Rシステム」がいよいよ始動した。
青島港に水揚げされる新鮮な魚介類は、トウモロコシから作られているこの植物由来のバイオマス魚箱「Re-Useボックス」で宮崎中央市場に運ばれていく。保冷車に揺られ、鮮度保持という使命をもってセリが終われば県内店舗へと流通していくのだ。
これら一連の流通経路において鮮度保持や漁獲物の保護・安定など従来品と遜色ない役目を果たせるのか実証・検証されるのである。
使用後は専用処理機「スゴイゾー」で漁協で発生する魚類の生ゴミ等と分別の手間をかけることなく、一括コンポスト処理できること、その処理粉が魚類の栄養分を多く含んだ「肥料」として再利用できることも併せて研究・実証することとなる。(宮崎大学農学部)
化石燃料が太古に固定された二酸化炭素を現代に排出・増加させてしまうのに比べ、このバイオマス魚箱・パーチの特徴は、植物原料から作られているので、排出される二酸化炭素は原料である植物が現在大気中にある二酸化炭素をその生育の過程で取り込み、分解処理され再び大気に循環する「カーボンニュートラル」特性にある。
この宮崎市でのバイオマスの取組が水産業における循環型社会の形成、温暖化の抑制、ゴミの減量化、地域の活性化等のモデル事業として全国へ波及していくことを期待するとともに、他のバイオマスの取組とリンクさせることによりバイオマスの取組がもっと全国へ広がっていくことを期待しています。
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