水産試験場
日向灘の沿岸資源の評価結果について
年度で第6回となる宮崎県資源評価委員会が9月12日、宮崎県庁7号館で開催されました。
資源評価の対象となる魚種(頭足類、甲殻類を含む)は、「宮崎県資源評価委員会における資源評価基準」に基づき選定されますが、水産業における重要性、資源管理の実績、放流等による資源造成、資源水準変化の兆候等の観点から、今年度は10種(新規魚種はなし)が評価されました(表1)。

注1) A、B、C、Dは使用した情報の質や量のレベル
注2) 高位、中位、低位は資源レベル
注3) 増加、横ばい、減少は直近5年間の資源量または資源量指標値または漁獲量の動向
ここでは、重点的に資源管理を推進している魚種のうち、アマダイ類、イセエビ、ヒラメ、現在種苗放流を休止しているマダイ、資源レベル・動向が低位・減少となったタチウオについて資源評価結果の概要を示します。

1 アマダイ類 資源レベル「中位」資源動向「横ばい(但し直近2年間は増加傾向)」

 アマダイ類は、そのほとんどがその他の延縄で漁獲されています。漁獲量は、1989年の246トン以降減少傾向にあり、近年は10トン程度で推移しています。
【評価内容と提言】
 資源レベルは、1979年からの資源量指標値(CPUE)で直近の2015年は上位25%〜下位25%の間にあり、「中位水準」と判断されました(図1)。また、資源動向は、直近5年間のCPUEの年変動率が3.9%の増加となり、±5%以内の変化であることから「横ばい(但し直近2年間は増加傾向)」と判断されました(図2)。
 提言では、アマダイ類資源は、近年好転している再生産成功率(新規加入量/親魚量)が今後も高い値を維持すれば、加入量が確保され親魚量の増大に繋がることが考えられるため、今後の動向を監視しながら、当面は過去よりも減少している現在の漁獲圧を増加させないことが必要である、とされました。
FISHERIES EXPERIMENT