水産試験場

赤潮対策の餌止めはナゼ重要なのか?

 赤潮対策としては、事前に気象状況や周辺海域の様子を警戒することが大切ですが、それでも養殖場周辺で発生してしまうことがあります。そのような場合、最も優先される対応とすれば餌止めの実施です。
 赤潮が形成された場合、魚にとってダメージを受けやすいのが鰓であり、カレニア・ミキモトイなどが漂っている場所で魚が呼吸をする際に水に含まれたプランクトンが鰓の細胞を損傷させるという報告があります。
 給餌などの作業を行うと魚は興奮して呼吸量が増えます。そのため、より一層海水を飲み込み、結果的に鰓を激しく損傷し、その程度によっては呼吸困難となり死に至る事になります。
 高密度での赤潮が発生した場合は餌止めをしても死に至る事がありますが、赤潮発生時には、餌止めを行うこと、また、不用意に生簀に近づくと、給餌と誤解して、浮上したり、興奮したりして呼吸量が増え、リスクが増すことになりますので、生簀周辺で赤潮プランクトンが漂っている時にはできる限り生け簀に近づかない事が好ましいとされています。

おわりに

 これからも、安心して養殖漁場を利用するためには、漁場を管理する漁協と現場をよく知る養殖業者の皆様方が、漁場環境の現状や周辺海域の状況を把握し、赤潮に備える事が大切になります。
 赤潮対策には発生初期段階での対応が大切ですので、もし養殖漁場等で何か異変を感じた場合は、地元の漁業協同組合、水産試験場(0985-65-6212)または所管する農林振興局(東臼杵農林振興局(0982-32-6135)、南那珂農林振興局(0987-23-4312))の水産担当まで連絡をお願いします。
2月の動き(県関係)
1日 漁業担い手ラウンドテーブル(宮崎市)
9日 第316回 宮崎県内水面漁場管理委員会(宮崎市)
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