水産試験場

加工品の開発

カルノシンを多く含む食材、チョウザメの魚肉を用いて加工品開発を行いました。通常魚肉をすり身にして利用する際には水さらしという作業を行います。そうすることで、臭み等がなくなり、品質の安定したすり身が得られます。しかし、カルノシンは、水溶性成分です。魚肉を水にさらしてしまうとせっかくの成分が流失してしまいます。そこで、カルノシンを残すため、水さらしをしない魚肉を使いました。また、チョウザメの魚肉は透明感があって歯ごたえのあるきれいな白身なので、歯ごたえを活かしたソーセージと生ハムを試作しました。また、調味料に添加するハーブについても、白身の魚肉に合わせたいと思い、県農業試験場薬草センターの協力を得ながら、ハーブの種類と配合について共同開発し、オリジナルブレンドを創りました。 その結果、カルノシンを多く含んだソーセージを試作することが出来ました(図2、3)。また、チョウザメソーセージの試食アンケートを行った結果、見た目、香辛料の量、塩気、食感ともに良い結果でした(図4)。
図2 チョウザメソーセージ (左:魚肉ブロック 中:オリジナルハーブブレンド 右:ソーセージ)
図3 水さらしの有無による製品中のカルノシン量 図4 ソーセージ試食アンケート結果
生ハムもソーセージ同様にハーブを使って仕上げました(図5、6)。
図5 チョウザメ生ハム 図6 生ハム調理例

これらの結果を、今後、本県水産業の振興に役立てていきたいと思っています。 水産試験場には、加工機器等を使って試作が行える水産加工指導センターがあります。加工品のアイディアがあるが設備がなかったり、新製品の試作を行いたいなどの希望がありましたら、ぜひ水産試験場生物利用部加工担当(0985-65-1511)まで御連絡ください。
FISHERIES EXPERIMENT